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鈴木ともみ副所長のNewsキャスターレポート

『取材!「ファインディング・ドリー」はダイバーシティ・ムービーだ!』

経済キャスター 鈴木ともみ

投稿日時:2016年07月26日

ファインディング・ドリー記者会見 『ファインディング・ドリー』全国公開中
(配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)
前方左から中村アン(デスティニー)、室井滋(ドリー)、
木梨憲武(マーリン)、上川隆也(ハンク)、
後方左からアンガス・マクレーン共同監督、
アンドリュー・スタントン監督
(C)2016 Disney/Pixer.All Rights Reserved.

~大ヒット映画が描いたダイバーシティの世界~

現在公開中のアニメーション映画『ファインディグ・ドリー』(配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)が、全米に続き、日本でも大ヒットしています。
2003年に公開された前作『ファインディング・ニモ』もディズニー・ピクサー作品としては日本では歴代No.1の大ヒットとなっており、今作も新記録樹立に期待がかかっているようです。

『ファインディング・ニモ』は小さなクマノミのニモが奇跡の大冒険を繰り広げる物語でしたが、
続編となる『ファインディグ・ドリー』はその一年後が舞台となり、
ニモの友達である忘れん坊のナンヨウハギのドリーが父と母を探すために壮大な旅に出かける物語となっています。
すでにご覧になった方も多いことかと思いますが、今作は前作以上に大人も楽しめる作品になっていると言えそうです。

アンドリュー・スタントン監督の来日会見を取材した際に、スタントン監督は
「人間の脳はとても不思議だ。前作でこの物語を表現し終えたと考えていたが、2012年に3D版の確認のために作品を改めて観た時に、ドリーのことが心配になっている自分に気がついた。
ドリーの家族はまだ見つかっていないし、ドリーは自分の物忘れがひどいことを常に周りに対して謝り続けている。
僕は彼女にもう謝ってほしくなかったんだ。
ドリーは皆から愛されているし、自分自身のことをもっと愛してほしいと思い、
その時から続編のことで頭がいっぱいになったしまった」
と、続編を描いた理由について語っていました。

そうなのです。13年前に『ファインディング・ニモ』を鑑賞した観客の多くは、
ニモはもちろん、ドリーのその後が気になっていたのではないでしょうか。
そもそもニモは、冒険心と好奇心あふれるクマノミの男の子ですが、体が小さく、右のヒレも小さい。
ある種のハンディキャップを背負っていますが、その小さなヒレのことを『幸運のヒレ』と呼び、
チャームポイントとしてとらえ、元気いっぱいに生きていきます。
今作の主人公のドリーも『忘れんぼう』というハンディキャップがあります。

6月29日(水)、ザ・リッツ・カールトン東京にて開催された
来日記者会見の場に登壇した室井滋さん(ドリーの声)は、
「ハンディキャップを持っている魚たちはそれをマイナスと思わずプラスと考え、
皆が個性として受け入れていく。その姿は心に刺さります。
私もドリーのように生きていきたいです」
と熱く語っていらっしゃいました。

続けて、「セリフも多くて正直とても大変だったんですが、
ドリーの顔を一生懸命見ながら吹替えをしているうちに、
マイクにぶつかったりだとか、叩いちゃったりだとか、トラブルもいっぱいありました。
ドリーを演じている間は自分がドリー化してしまい、タクシーの中に携帯電話を忘れたり、
ガーデニング用品を買うためにスーパーに行ったら、いつの間にかカーテンコーナーに立っていたり、
今日もトイレに行ってから控え室になかなか戻ってこられなかったりしました」
と、自身が完全にドリー化してしまった逸話を語り、会場をわかせていました。

今作では、ニモやドリーの他に、視力の弱いジンべエザメのデスティニーなども登場し、
多種多様な魚たちが共に協力し合い、勇気を持って生きていく姿が力強く描かれています。

子供たちからだけでなく、大人たちからも好評なのは、
このダイバーシティ社会を微笑ましく描いた世界観が
(室井さんの言葉をお借りすれば)心に刺さるからなのかもしれません。

スタントン監督も「実際には、ニモは1歳しか年齢を重ねていませんが、
前作での経験のおかげで10歳分は成長しているのではないかと考えています。
ドリーが忘れんぼうであるのと同じように、片方のヒレが小さいニモも、
ドリーと同じようにハンデを抱えている。
けれどニモは、これまでの経験によって自信を持っている。
ニモは、自分と同じように、ドリーにも自信を持ってもらいたいと願っているんです」
と解説していました。

誠に勝手ながら、『ファインディング・ドリー』は『究極のダイバーシティ・ムービーだ!』と、
確信してしまった私です(笑)。

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